第6章 新たな道を見出だす1年1ヶ月

彼が居なくなって1年と1ヶ月が過ぎた


彼が居なくなってから2度目の年末年始が過ぎて私はひっそりと涙を流していた


もしかしたなら一年が過ぎていつかの様に彼がまた私の元へやって来るかもしれない………なんて僅かな希望を抱いていたのだ


………解っていた…………そんな事は無い事を


だけど心に浮かんだ希望は消える事無く遂に一年が過ぎてしまい


私は自身の馬鹿さ加減に泣いたのだ

淡い期待は所詮私に都合の良い妄想で彼が再び私の前に現れる事は無い


今彼は何をしているだろう……

生真面目な彼は仕事に夢中で大好きな家族と過ごしているのだろうか


怪我もせず元気だろうか………



私はスマホに入った沢山の思い出写真を見ていた

最近やっと見れる様に成ったのはきっとキメキメのイルミさんが満載の写真集を穴が空く程眺めているからだ


彼の姿は確かに私達が過ごした時の中にあって、ぎゅっと胸が痛くなる


そんな数々の写真の中で一枚彼がハンター文字で書いた短冊の写真を見付けた

そういえば七夕の日短冊に願い事を書いた彼はしっかりと届けたい願いだから元の世界の文字で書いたと話していた

その時は読めずに後で調べる事を決めていたがすっかり忘れていた


悪趣味なのは承知の上だがどうしてもあの無欲な彼の願いを知りたいと思った


会えない今、尚更だった