ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第34章 遊園地と目撃
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その後私達は船を型どったバイキングに乗った
ジェットコースターとは違い、レーンを滑走する事は無いが大きく揺れるアトラクションは浮遊感と爽快感溢れる物で彼の瞳がキラキラに輝く姿をまた見る事が出来た
「次あれに乗りましょ!」
バイキングを降りた後に目と鼻の先に見えたメリーゴーランドに良く似たアトラクション
馬の他に熊の様な動物何かが模されたそれは陽気でメルヘンな音楽と共にくるくる回っていた
しかし彼はアトラクションを見た途端に無表情に成ると
「嫌だ。」
はっきりとしたNOを口に出した
「何でですか!!!」
「沙夜子が俺を笑うから。」
「あれは、だから可愛いんですって!!!」
彼の手をブンブン振って思い切り引っ張ってみるが足元の地面がザリザリと音を経てただけで彼は微動だにしなかった
もう一度くるくる回る彼が見たい
メリーゴーランドに不釣り合いな彼が不満顔で跨がっている姿が見たい!!!
不貞腐れながら彼を見上げた私に彼は溜息を付いた
「そんなに乗りたいなら沙夜子だけ乗れば良いよ。」
「………え」
言うなり列に背中を押されタイミング的に直ぐに乗車可能らしく日本人特有の集団に逆らえない心理を発揮してしまった私は一人で乗り込む事に成った
ちびっこ達に一人混ざった私は空いていた馬へ跨がり陽気な音楽と共にくるくる回る
彼はそんな私を無表情で眺めていて私は只無心で終わりを待つというシュールな時間を過ごした
「違う!私が乗っても無意味なんです!」
ツカツカと近寄って文句を言った私だが彼はそんな私を見下ろして鼻で笑った
「面白かったよ、俺は。」
「っ…………」
なんて言いながら髪を滑った彼の手に私は何も言い返せなくなってしまう
彼の指先が僅かに耳に触れた事、そして伏し目がちに射抜く瞳が穏やかで先程迄の文句は簡単に消えてしまうのだから彼はズルい人だと思う