ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第33章 のんびりと休日
喧嘩の翌日
彼は部屋から出ずに過ごそうと言った
私からしてみれば折角の外出機会なのだが働き詰めの彼に身体を休めて貰いたいと言う思いが先行し私は二つ返事で快諾した
午前中をダラダラとベッドで過ごし壁ガラスから見える広い空を見上げながら
「あの雲は犬ですね」
「馬鹿だね。あれはペンギンだよ」
「え、どう見ても犬ですよ……四足歩行やし」
「間違えた。あれは猫だ」
「…………犬」
「猫だよ。」
なんて内容も無い他愛ない時間を過ごした
決して折れない彼に
「……………猫ですね」
心にも無いが言ってみた所
「やっと解ったの?沙夜子は馬鹿だね。」
なんて得意気な表情を頂いた
馬鹿とは聞き捨てならないが雲の形で意地になる彼が可愛くて頬が緩んだ
その後ルームサービスの昼食を食べた後私達は並んでDVDを見ているのだが……
「…………イルミさん」
「何。」
「ほんまにこれヒット映画ですか………?」
「そうだけど。」
大きな画面一杯に広がる残虐なシーンに私は時々瞼を閉じる
食後と言う事も相まってグロテスクな臓物飛び交う映像に気持ちが悪く成った
私の世界ではR指定のスプラッター物と呼ばれる事は間違いない代物がヒット映画だなんてやはりこの世界の人々は感覚が違うらしい
そもそも天空闘技場なんていう人が死ぬ事もある見せ物で賭け事をする世界なのだからそれくらい感覚が違うのだろう………
快楽殺人者に次々残虐に殺される人々に吐き気がする