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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第31章 届かない言葉







「ところで……その小さなバッグには何が入ってるの?♥️」


肩から下げていたポシェットを指差され中身を見せて説明すればヒソカさんは一頻り笑った後に


「沙夜子は本当に面白い子だね♥️」


なんて言いながら私の頭を撫でた



沢山お喋りを弾ませてホテル迄送ると言ってくれたので甘える事にして私達は部屋の前で別れた

早速送られて来た写メにテーブルに置いたサングラスを見て笑みが漏れる

別れる前にまた遊びに来ると手を振ったヒソカさんだが次はいつ遊びに行けるだろうか………

なんて考えれば正直楽しい気持ちに成った

しかしヨークシンに居られるのは少しの間なのだと話せば


『彼は仕事で多忙だからあまり連絡が付かないし、もし移動する事があれば沙夜子がボクに連絡してよ。そしたらボクが会いに行くから♥️』


なんて優しい言葉を頂き私は感激してしまった

彼とのデートとは楽しさの違う単純なお喋りを楽しむ外出は気分転換に成るしヨークシンじゃなくても会えるという事が単純に嬉しかった



________"




適度に外出した事で私は集中して小説を読んでいた

一週間の孤独も人とコミュニケーションを取る事で随分と緩和される


夕食も終わりすっかり街が夜の顔に成った頃部屋の扉が開いた



「おかえりなさい!!!!」


愛しくて待ち遠しかった彼の姿

永遠に帰って来ないのではなんて馬鹿な考えは吹き飛んで

一週間振りに広い胸に抱き付いた私は彼に顔を埋める

大好きな香りが鼻を擽り愛しい温もりに涙が溢れそうなくらい胸が弾んだ


「…………沙夜子」


しかし降ってきた彼の声は低く不機嫌であると一目瞭然の声色で

その原因に心当たりのある私はゆっくりと彼を見上げた




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