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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第4章 彼の面影を求める半年







『沙夜子へ

俺が居なくなったからと言って眠らないなんて許さないから。しっかりと食事を取る事も必ずだよ。全てを取り払った段ボールの下に封筒がある、俺には必要無いから沙夜子が好きに使うと良い。
お元気で。』



涙で霞んで何度も読み返して
全て彼にお見通しなのだと思うと


そんなに解っているなら傍にいてほしい……なんて我が儘になる


ろくに眠れず食事も極僅か

元気でなんていられない


こんな私を彼は叱ってくれるだろうか………


そんな事を考えながらも懸命に段ボールを退かせると大きな茶色い封筒を見付けた


見た覚えも無い封筒で、中身を覗けば現金がぎっしり入っていた


彼は半分私に生活費を入れていたのに何故こんなに………
その額は相当なもので彼は自分で自由にお金を使っていなかったのだと初めて解った


旅行の際やプレゼント…………そんな時にだけ彼はお金を使っていたのだと考えると


彼が此方で働いていたのは全て自身の為だったのでは……なんて




………優しい人………



優しくキスをしたくせに何も教えてはくれないズルい人………



彼はいつもそうなのだ



「………イルミさん……今何してますか……」


涙声は小さな滴に成って段ボールをポタポタと鳴らした





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