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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第4章 彼の面影を求める半年






ポロポロ流れ出す涙をそのままに段ボールを開く


見覚えのあるうんこ漢字ドリルをなぞる

ページを開けば几帳面な彼らしい繊細な文字が並び
彼は確かに存在し、此所で字を書いていたのだと思うと涙声に嗚咽が漏れ始めた


一生懸命に字に向き合う彼の姿は可愛らしくあどけなかった


私のおさがりの図鑑


出して見れば一冊足りない事に気が付いた


「…………星座の図鑑………」



その中に星座の図鑑だけが無かった

私が触れていないという事は彼が持ち出したという事で


「世界違うんやから………役に立ちませんよ……イルミさん……」


私は暫く次の段ボールを開けずにうずくまって泣いた





ひぐらしの鳴き声を聞きながら次の段ボールを開く

彼の購入したよくわからないキーホルダーが転がる中でス○ィッチのぬいぐるみにメモが張り付けられている事に気が付いた


このぬいぐるみは彼が縁日の射的で取ったものだ


バクバクと煩い心音をそのままにぬいぐるみを拾い上げるとメモは2つ折りにされていた


彼から残されたメッセージ……なんて思えば震える手


すがる気持ちでメモを開くと間違い無く彼の字が並んでいた




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