第30章 好きと温もり

大好きな大好きな大好きな彼と結ばれるという一大イベントを…………私は覚えていないというのか……………


バクバクと耳にも煩い心臓の音

絶望が私を包んで泣きそうになる


………そんなのあんまりだ………

大切な彼との夜……………



涙ぐみながら手を伸ばした先


私は布を確認した


「………………ん…………？」


もう一度床を確認し自身がパンツを身に付けている事に気付く


という事は……………



結ばれてはいない！！！！！！！！！



先程の絶望は成りを潜めて次いで追い付いた感情は羞恥だった


………………如何なる理由で私は半裸なのだろう……………

全く記憶は無いがあのドレスを彼に脱がされただなんて…………

光景を思い浮かべて頭が爆発しそうに成る

そして無意識に私を抱き寄せた彼に心臓は急激に速度を上げた



(………ちょっと待って…………イルミさん………全裸………………？)