ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第29章 ドレスとワイン
運ばれて来たコース料理
一本で破産物の赤ワインがグラスに注がれ私はその赤ワインを一気に喉に流し込んだ
緊張を解くなら飲むしかない
只でさえ決め決めの彼に緊張するのに慣れない場所で容易に普段を取り戻す事等不可能だ
………………なんて思考は一瞬にして消え去って
「………………うっっっっっま!!!」
私は品が無いにも程がある台詞を吐いていた
「なにこれ!めっちゃ美味しいです!」
今迄生きてきて飲んだワインの中でぶっちぎりに美味しいワインは芳醇で程好い酸味が絶品過ぎるワインだった
「おかわりくださいっ!」
空のグラスを持ち上げてウェイターさんを呼べば後ろの席の人がひそひそ何か言っていたが構うものか
私はとにかく飲みたいのだ
次は味わって一口含む
「…………う~ん………美味しい………」
とろけそうな頬を抑えて呟けばクスっと笑みが聞こえて彼を見る
「………良かったね。」
口元に手を当てて笑う彼にドキドキしながらも
「イルミさんも早く飲んでみてください!」
私は思い切り笑顔を向けたのだった