ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第4章 彼の面影を求める半年
昨年とは大違いで部屋の散らかりようは相当の物だ
ちゃぶ台の上のイルにゃんに苦笑いする
こんな汚部屋彼には見せられないしそろそろ掃除しておかないと夏特有の黒い奴が出そうで怖い
淡々と掃除機をかけて洗濯し、洗い物をする
最近めっきり音楽を聞かなくなった
彼との日々で聞いていた音楽なんて地雷そのもので聞いてしまえば自爆する
新しい曲だって歌詞に感情がリンクすれば涙腺は簡単に崩壊する
そんな事を考えていると視界の端に巨大な蜘蛛が映って私は一人跳ねてちゃぶ台にぶつかり身悶えた
…………彼は軍曹だ…………
イルミさんの残した最恐の同居人
「…………そうか………冬眠から目覚めたか……………宜しく、クリストファー軍曹………部屋をGから守ってね」
滅茶苦茶恐い見た目だが彼の残した形見だと思うと話し掛けてしまうくらいにはトチ狂っている。
部屋の端に見える段ボール
彼専用段ボール
中を見たいけど見たくない
辛くて仕方がないけど彼の面影を求めて開く事にした
一段目には彼の身に付けていた洋服がぎっしり詰まっていた
どの洋服を見たって彼が着ていた姿を鮮明に思い出す
これは遊園地
これは沖縄
あ、これはドライブの時
なんてひとつひとつに心臓は悲痛に叫ぶ