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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第28章 コーヒーと初恋の人





ホテルを出ると久々に感じる太陽の眩しさや風の香りに私は目を細めた

部屋で待っていたのは二日間

しかしたった二日間でも随分と久しく夏の暑さを感じる


これは由々しき事態だ
薄々気付いていたが不健康にも程がある

後で外出の機会を増やしてもらえる様に彼に交渉しよう

なんて思いながらも私の足取りは軽く握った手を大きく揺らす


「イルミさん!何処に行くんですか?」


見上げると彼はテレビから流れたCMの話をしてくれた

なんでもヨークシンで大流行のパンケーキがあるらしく幾重にも重なった生地がふわふわで凄いらしいなんて抑揚無く言った彼だが


「それで…………食べてみたくて。」


その瞳はあからさまにキラキラと輝いていた


「それは是非食べないとですね!」



可愛い………可愛すぎる………パンケーキが食べてみたいだなんてキュート過ぎる!!!!


その後もホイップクリームにナッツやチョコレートがトッピングされているなんて情報を語る彼に私は頷きながらも脳内で身悶えた




徒歩15分、到着したのはオレンジ色と黄色が基調に成った何とも陽気な店で多分平日にも関わらず沢山の人で賑わいを見せていた

親子連れからカップル、はたまた女性同士がお喋りに花を咲かせている店内で彼は非常に浮きまくる

やはり所変わっても彼は美形な様で店にいた女性の視線を一瞬にして独占した


…………しかしそんな彼は私の恋人なのだ


なんて考えると止めどない幸せを噛み締めて溢れる笑みを抑えられない

そんな私にチラリと視線を向けた彼はどうやら私がパンケーキに超絶浮かれていると思ったのか


「良かったね、苺のもある。」


なんて言った

確かにイチゴは大好きだし嬉しいが私を笑顔にしているのは彼自身なのだ

彼がその事に気付く事は無くレジにて注文を済ませ空いた席に向かい合って座った



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