ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第4章 彼の面影を求める半年
彼が居なくなって半年が過ぎた
相変わらず食欲は無く酒に溺れる不健康な日々を送っている
何も無い休日眠ったのは朝で昼過ぎ迄惰眠を貪り人目も憚らず欠伸を漏らす
何せこの部屋には私しか居ないのだ
未だ彼の面影に涙する日は数え切れず元に今も彼の腰掛けていた座椅子を見詰めて
『おはよう』
本のページを捲りながら挨拶する彼の横顔を思い出す
胸はぎゅっと押し潰されてしまいそうでまた布団に倒れ込む
もう一度彼に会いたいと願うのに彼はこの世界の何処にも居ないのだ
私は相変わらず居酒屋でのアルバイトを続けている
彼の事を考えていると死んでしまうのでは無いかと思うくらいに悲しくて、一瞬でも気を紛らわせていたいのだ
それなのに何時も電灯の下に彼の姿を探してしまう
帰り道も勿論一人で無言で歩く道は遠く長い
自宅に帰れば真っ暗な部屋
これはこれで辛いものがあるが部屋に籠って一人泣いているよりはマシに思えた
未だ隣には彼の布団があり捨てられずにいる
捨てるなんてあり得ない……いつか彼が眠るかもしれない……なんてそれこそあり得なくて
…………そろそろ部屋の掃除をしなければ
すっかり夏に成った世界
私は何処にも行かずに籠りきり