第170章 暗闇の中

本当は専属使用人も使った方が効率的なのだが彼女の存在は露見してはならない

少しの不安要素も計画には邪魔になるし万一彼女の存在が家に知れれば其れこそインナーミッションが始動するだろう


あの念能力者が見付からない限り計画は成功しないが

幸い一度は顔を合わせた相手、手掛かりが無いより幾分かマシだろう

自身の成せる事を成すしかない



手始めにスケジュールの見直しをした

ターゲットがある程度固まっている場所を拠点とした長期出張をメインに件数をこなす

仕事を休業しても穴が空かぬ様に出来る限り繰り越した

次に身体作りだ

満足にトレーニングも出来ない環境は自身を弱体化させ、行く行くは差が付き負傷や死亡といったリスクを上げる

長期トレーニングを必要としない程身体を作り上げるには日々の鍛練が必要だ

入念に身体を作り鈍らぬ様に技を磨く

そしてその合間に情報屋の報告を聞き、彼女の元へ帰るという生活を繰り返した







そしてつい先日……





漸く男の居場所を突き止めた