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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第167章 夕焼けが眩しくて







突然の出来事に固まる私にポイっと返されたスマホ画面にはとぼけ顔の私と気だるげな彼の無表情が残っていて

心臓がドラムを鳴らしているみたいに騒がしい


…………彼が一体何を思ってそうしたのかは全く見当も付かないけど


私の心臓を射抜いたのは確かだ




おずおず見上げた彼は既に背中を向けていたけれど肩越しに寄越された流し目に金縛りに合った様に動けなくなる


まんじりともせずに佇む私を振り返った彼は悠長な所作でスマホを向けるとカシャリと一度だけシャッター音を鳴らした



きっと彼のスマホにはブラックライオンと共に間抜け面が映っているのだろうなぁ……

なんて、ぼんやりと今の状況を理解出来ても身体は付いて行けずに彼と見詰め合う一時




「何突っ立ってるの、行くよ。」




私の戸惑いをからかう様に瞳を細めた彼は実に悪戯に唇を歪めた





________"




その後の私は彼の突如発揮されたセクシーに殺られて意識がフワフワとしたまま進んでしまった


キツネにペンギン、クマにカバ等可愛い動物達の姿は辛うじて写真に収めたので良しとしよう


一方彼は私を骨抜きにしておいて瞬時に通常運転へ戻り

お猿さんのエリアで「臭い」等と胆の冷える暴言を平然と放ったりした



アニマルエリアを抜けた私達は次いで植物園と触れ合いが一体に成ったジャングルジャングルというコーナーにやって来た



流石植物園も一体と成っているだけあり美しい空間だ


随分時間も経ち彼への異常なドキドキも漸く落ち着き辺りを見渡す

ドーム状に成った高い天井は開放的で茂る木々や咲き乱れる花は此処が室内である事を忘れさせる

そしてそんな中に動物達が伸び伸びと暮らしている様だ


羽の生えたウサギさんやフワフワのフクロウ等愛らしさ抜群の動物達が此処彼処に居て私が夢中に成るのは勿論で

彼も私に付き合い興味無さそうに巨大ペリカンを撫でている

……正直ビジュアル的に全く似合わないが放っておく事にして

小動物を中心に至極のモフモフタイムに没頭する内に随分と時間が経っていたらしい




「ねぇ沙夜子、時間平気?」



ポツリと落とされた質問に笑顔で顔を上げた私は即座に真顔になった

ガバリと彼の腕時計にすがり付いて声にならない悲鳴を上げる




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