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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第166章 デート日和







………正直絶句である



早いとか…………そういう問題では無いのだが………



突然の集団気絶の対応に慌ただしい受付迄やって来ると然も当然の様にチケットを購入した


受付の方はそれはそれは困惑した表情を浮かべていたけれどきっと私もお揃いの顔をしているだろう……



列の横入りは道徳的では無いし、いけない事だと思って生きてきたけれど彼の其れは最早異次元だった


と言うより彼に道徳なんて無い


仕事が仕事だ………一般常識……?何それ、みたいな感じだろう


さながら『パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない』と同じじゃないか………


唖然と私達に刺さる視線等無いものの様に自動ドアを潜った彼と共犯になってしまう私の身にもなって欲しい


………まぁ誰も彼の仕業だとは気付いていないだろうけど………




「イルミさん………あんなん……ダメですよ……」


「どうして?」


「皆私達と同じで楽しみに来てるのに……」


「…………。」


「………イルミさん?」


「他人の事はどうでもいい。」


「っ……………」




淡々と吐き出された声は心底無関心を貫いていて私は次の言葉を失った



正直…………正気では勝てる気がしない……………


私は大変勝手ながら諦めの境地に入った

とりあえず今を楽しもう……という現実逃避だ




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