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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第166章 デート日和







「ふふふ、楽しいですね!」


「……早くない?」




ワイワイガヤガヤと賑やかな声が響き、老若男女問わず沢山の人々が列を作っている

覗き見れば先頭までは長くパークシティのチケット売り場まで続いていた



この炎天下の中どれだけ待つのだろう………そう思うほど嘗て無い大盛況だ

それだけ大人気なのだと思えば私達には珍しく王道デートスポットで彼とデートが出来るのだと自然と弾む心音


しかし気掛かりはレストランの予約時間だ………




ポケットに手を伸ばしてスマホの時計へと視線を向けていたのは本当に一瞬だったのだが

顔を上げた途端映った目の前の光景に軽い奇声が口から飛び出した



「え、え?!……何?!」



私達の前に並んでいた大勢の人々が少しスマホを見ていた間に全員地面に突っ伏していたのだ


背後からどよどよと私と同じ反応を示す沢山の気配から私達を境にして後ろは無事らしいのだが



それよりも………こんな事が出来るのは……………っ


暑さのそれとは違う汗が一筋落ちて恐る恐る見上げた先


彼はサングラス越しで此方に視線を流しながらとぼける様に眉を上げた


間違いない、犯人だ………。



「さ、俺達が先頭だ。」


なんて単調に言いながら私の手首を引っ張る彼は長い脚で平然と人を跨いで



「ちょっ………!!!」



騒然とする群衆は軽くパニックになっていてどよめきが波紋の様に広がって行く

しかし彼は全く気に留める素振りも無く真っ直ぐに受付へと向かっている事にゾッとした



「イルミさん!何したんですかッ!」


勿論小声であるが


「念をちょっとね。」


なんて淡白に言った彼は人差し指をピンと立てると


「待つのって面倒だし、こうすれば早いだろ?」


悪気の欠片も無い口振りで声を紡いだ





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