ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第166章 デート日和
動悸にも似た心音に深呼吸をしながらも
辺りから彼へ集まる視線にもう一度彼を見上げた
……先程なんて振り返ってまで彼を見ている人がいた
威風堂々と肩で風を切り前だけ見据える横顔
何度も思う事なのだが彼はつくづく美しく目立つ人だ
そのご尊顔もさる事ながら抜群のスタイルはモデルさんと言っても過言では無い
よくもまぁそんなに目立つ見目で暗殺者なんて出来ているなぁと思うけれど
彼に掛かれば彼の姿を認識する前に全て終わってしまうのだろう……
そしてもう1つ思う事
彼の醸し出す雰囲気は本当に不思議だ
暗闇の様な圧と清流の様な透明さが同居していると度々感じる……
人目を惹くのに流れる様な雰囲気は掴み所が無くミステリアスな魅力となっているのだ!!!!
両サイドに雑貨屋さんやブティックが連なって大勢の雑踏で賑わう中、彼は沢山の注目を集めながらも黙々と目的地を目指し
そして私はと言うとそんな彼に選ばれ並び歩ける優越感にがっつりと浸って脳内にお花畑を咲かせていた
「あぁ……こんな素敵な旦那様とデート出来るとか贅沢の極み……ありがとう世界……ッ」
「ぶつぶつ言うの止めな、気持ち悪いよ。」
「イルミさんは声まで素敵」
「…………。」
うんざりとした視線が刺さるけれど気にしない
私は今空でも飛べそうなくらい本当に幸せなのだ