ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第166章 デート日和
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ヨークシンは今日も快晴で空には真っ白な入道雲が流れている
立体駐車場に盗難高級車を停めた彼はサングラス越しに辺りを見渡した
私がデートスポットとして選んだのは大都会ならではの大型複合施設である
その中でも水族館やら動物園、植物園、科学館まで一体に成ったパークシティなる場所が今回のメイン
実はずっと前からCMで見ては気になっていたのだ
地図を確かめる様に案内図を眺める彼に自然と緩む頬
「思っていたより広いんだね。」
「そうですね!」
「パークシティ……だっけ。」
「はい!」
暫く地図を見詰めた彼はチラリと視線を落とすと指を絡める様に私の手を握った
「はぐれると面倒そうだね。」
なんて溜息混じりの呟きを聞きながらもドキドキと全身を巡る鼓動
きっと耳まで赤く染まっているんだろう……とにかく真夏の気温も相まってかなり暑い…………
熱を逃がす様に俯けばしっかり絡められた手が妙に気恥ずかしくておずおずと顔を上げて動悸がした
妖しさと気品、交ざる事の無い筈の特有の雰囲気を見事に纏った彼は、あまりにも真っ青な空と似合わなかった
彼だけが周囲から浮世離れして見えるのは醸し出す雰囲気だけでなくその圧倒的な美貌も要因だ
中性的かつ繊細でまるで芸術品の様な容姿をしていながらサングラス越しに薄く影を潜める双眼は鋭く涼やかで……
青空すらも彼の存在を際立たせる小道具の様な一時に私は目を奪われ危うく気絶する所だった