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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第27章 仕事と下着






「…………もう泣かせたりしないよ。」


アタッシュケースの奥に便箋を仕舞った

彼女はきっとあの姿を知られたくないと考えるだろうと思ったからだ


泣かせたりしない悲しませたりしない危険な目にも合わせない

勿論自身でも思っていた事だが意志は一層強固なものに成った


そしてもう1つ


自身の暗殺者としての顔を目撃したならば彼女は自身に恐れを抱くかもしれない

自身と共に時間を過ごす事を拒むかもしれない……





………そうはさせない


彼女の全てを自身が担おう


望む物は全て自身が与えれば良い

見たい景色や欲しい物食べたい物や環境全て

彼女は自身の作り上げた世界で笑ってくれていれば良い


愛しい彼女は今自身の手の中に………



…………決して逃がしはしない




コーヒーカップが小さく音を経てる



自身がそんな事を考えているなんて彼女は思っても見ないだろう



(…………まぁ、あの性格だしいつ外へ出たいってごねるかは時間の問題だけど………。)





カラカラと回し車の音が鳴る

広いリビングの一番眺めの良い場所に、なんて言った彼女は飾り棚に飾っていた花瓶を移動させてハムスターの居場所を決めた


自身が近寄れば近寄る小さな命



「お前に沙夜子を任せたけど役不足だったみたいだね。………元気そうで何よりだよ。」


両足で立って小さな手を伸ばす仕草に指先で頭を撫でてやる


「…………行ってくるよ。」


テーブルにメモを残してホテルを出た


向かう先は現在地から車で30分
自身の脚で10分の距離に位置するホテル


顔に針を刺して人相を変えフロントを抜けてVIP階の一室へ


家お抱えのホテルをギタラクル名義で借りている

大量の武器のストック、仕事着だけの部屋で私服から手早く仕事着へ袖を通した

血に染まった自身の姿を彼女に見せぬ為

暗殺者の顔を隠す為に




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