ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第166章 デート日和
毛先迄滑らかな髪にうっとりしながらも起きてくれやしないだろうかと期待を込めて大胆にも頭を撫でてみた
「イルミさん……」
小さな囁き程度で漏れた声に彼のくぐもった吐息が聞こえて心臓はドキリと高鳴った
彼を撫でるなんて滅多に無いシチュエーションだがプライド高いが故に叱られてしまうのでは……と頭を過ったと同時
長い睫毛がゆるゆると持ち上げられて気だるげな瞳と目が合った
めちゃくちゃソフトタッチで撫で撫でを続けていた手を瞬時に引っ込めて笑顔を作る
「お、おはようございます!」
じっと此方を見上げる眼差しは鋭い様でいてまだ意識が覚醒し切っていないのか実にゆっくりと瞬きをした
「………おはよ。」
普段より低く掠れた声は寝起きでも単調である
「朝御飯来てますよ!」
「………すぐ行く。」
ゆるゆると上体を起こす様子を確認してから私は一足先にテーブルに付いた
ワクワクと弾む胸
いよいよデートが始まる……!!
暫くしていつもの涼しげな表情でリビングルームにやって来た彼に私は嬉々として本日のプランを語った