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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第165章 涙と汗が交ざる時







そして蘇ったのはランさんが最後にこっそりと残した台詞


『イルは百戦錬磨の男だから骨抜きにするには時に努力も必要よ、たまにはベッドで沙夜子ちゃんから襲ってやりなさい!男って馬鹿だから案外そういうの好きなんだから』



そう!!満足頂けるどうこうでは無く私は彼のハートを射止めるのだ!!


彼だって男、そういうのが好きかもしれない



……自分で考えておいて恥ずかしい


確実に顔は茹でダコだ



決意は固まった

絶対にやりきって見せるッ





「よし!!お酒飲もう!」




緊張のあまり先程から心臓がおかしな音を鳴らしている

このままではベッドへ辿り着く前に勝手に死にそうだ


とりあえず少量のアルコールで緊張を解きちょっとした行動力を装備しておく必要があると判断したのだ



ルームサービスのワインが三杯届く頃彼はガウン姿でリビングへとやって来た


水気を含んだ長い髪をタオルで拭いながら私を見てクリッと首を傾げる


「変な頼み方したんだね。」


「……えへへ、まぁ……ちょっとだけ飲みたかったんです、ほんまにちょっとだけ……」


「ふーん。」


然程気にする素振りも無く呟いてソファーに体重を預ける姿にバクバクと跳ねる心臓


緊張から飲み過ぎて失敗なんてしたくない

だけど素面では気絶待った無し

そこで選んだ三杯が乗ったトレイをぎこちなくテーブルへ運んだ



同じソファーに座る、それだけの事も彼を意識した途端に大それた事の様に感じて珍妙な動きに成る



ドキドキしながらもチラリと盗み見れば彼は髪をゴシゴシしながらもスマホに夢中だ


通常この時間は各々気儘に過ごし彼がドライヤーを終えるまでに就寝準備を整えるいつもなら心地好く流れる時間………



私は一杯目のワインを一気に喉に流し込んだ


………彼の横顔を一瞬盗み見ただけで爆発しそうになった





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