ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第164章 見えない冒険
自身が思っていたより難易度が高く、慎重に取り組まなければ余計に厄介だ
「平気だよ、ここ草原だから。」
「違うッ崖!」
「は?何処からどう見ても草原だろ。沙夜子は蜘蛛の毒を吸いすぎて視覚をやられてる。」
「………はっ!そうやったんか……くそッ」
他人に目撃されたら瞬殺は決定だが
速やかに終わりに導くには自身も彼女の世界観を遵守して見えない景色を見なければいけない
イメージトレーニングの要領で良いのだろうか……。
見えないボウガンを武器に毒蜘蛛を倒した俺は彼女の手を取った
「早く逃げよう、今の内だ。」
「ありがとう!」
何をしているのか全くわからない
本当に心底馬鹿馬鹿しいけれど
兎に角彼女の言葉に耳を傾けてそれらしい事を言って
気が付けば見えない冒険は二時間が経過して
危険な局面に立ち向かう無邪気な彼女と奇っ怪なジャングルに真剣に向き合っていたのだが
やはり思ってしまうのだ
(…………俺何してるんだろう。)
夜が深まり鏡に成ったガラスに反射する自身は滑稽を極めていた
これに付き合う事は金輪際無いだろう……。