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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第164章 見えない冒険



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彼女はその後も汗なんてかきながら実に生き生きと家具を飛んだり跳ねたりしている


実に滑稽だが彼女は真剣だ


真剣故に更に馬鹿らしいが……


今は巨大な毒蜘蛛に囲まれているそうだ



「どうしよう………イルミ隊員……私の持ってるボウガンで勝てるかな……数が多い……」


ボウガンなんて持っていない


しかし実に悔しそうに歯を食い縛る彼女


今自身等が実際にいるのは棚の上である


馬鹿馬鹿し過ぎる事だと重々理解していても無視する訳にも行かず

針を投げる素振りだけ見せた



「はい、死んだ。」


「駄目!毒で溶かされて効いてない!」


「は?そんなので溶ける訳無いじゃん。死んだよ、全滅。」


「イルミン、まだ死んでない!!」


「……………。」



基準は全て彼女に委ねられる


自身はどんなに頑張ってもホテルの一室しか見えず

彼女には何がどんな風に見えているのかその感性に圧倒されている気さえする



「ちょっとボウガン貸して。」


勿論そんな物は無い


しかし毒蜘蛛を倒さなければこの奇っ怪な時間の終わりが遠退くのだ



「………っ任せた」


彼女からエアーでボウガンを受け取り棚から飛び降りた時だった



「イルミン、イルミーン!!!!何で身投げなんか………ッ!!」


どうやら俺は崖に身を投げたらしい




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