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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第163章 海を見に行く話




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18:29



フワフワと浮上した意識で瞼を開けば車内はオレンジ色に染まっていた


視界の端に映る氷が溶けたスムージー


何だか悲しい夢を見た気がする


規則正しいエンジンの振動を感じながら運転席へ目を向けて私は途端に泣き出してしまいそうになった



窓の外の景色は流れず

運転席に彼の姿が無かったのだ



寝起きな事も手伝って随分と頭が回らない

不安と悲しみばかりが溢れて

この時私はまるで無力な赤子の様な気分だった



「……イルミさん……どこ………?」



意識するでも無く震え掠れた声が零れて僅かに聞こえるラジオと混ざる


運転席にも残されたスムージーはすっかり空になっていて

その容器だけで確かに彼が存在した事を確かめた


辺りを見渡してみても彼の面影は無く

私は助手席の扉を開いた


冷静な判断なんて出来ない


ただ彼を失うのが怖い





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