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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第163章 海を見に行く話








賑やかでいて自然に囲まれた其処はちょっとした観光にやって来た雰囲気を演出していて私の胸は途端にワクワクと弾んだ


壁にもたれ掛かって私を待ってくれていた彼を見上げれば言を発っさずとも解っていると言う様に同じ方向に足を踏み出した



「ちょっと中覗いて良いですか?」


「うん。」



すりガラスの嵌め込まれた可愛い木戸を開けば可愛いらしい鈴の音がチリンと鳴る


やはり私の知る道の駅とは違い商品に新鮮な野菜等は無く小物や雑貨、アクセサリーが中心と成って棚に陳列されていた

張り紙から解った事だが地方の特色を取り入れた手作り雑貨というやつだ

内装も外観と違わずお洒落で見ているだけで楽しい空間

其所にも人の活気が溢れていて私はちょっとした旅行気分に成った


ネックレスを手に取ってみたりキーホルダーを見てみたり暫く夢中に成って店内を見て回り


ほっこりとした満足感と共に店を後にすれば今度はワゴン車から香る美味しそうな匂いへと私の欲望は赴くままに傾いた


しかしチラリと盗み見た彼の表情は満更では無さそうで自然と緩む頬



「何の匂いでしょ?!」


「ハンバーガーだって。」


「ハンバーガー!」


五台程ズラリと並んだワゴン車で広場の様に成ったスペースにはご当地グルメが集まっていた


昼食はしっかり食べたけれど丁度小腹が空く時間帯、どれも魅力的だ……なんて眺めていると


「食べる?」


彼はポツリと溢しながら小首を傾げた


掲げられた"特産牛と季節野菜のハンバーガー"の文字にゴクリと唾を飲み込んで頷きながらも

私は咄嗟に彼のシャツの裾を掴んでいた


「半分こしませんか……?私あっちも欲しいです………」


「良いよ。」


視線の先にはためく"フレッシュフルーツのスムージー"


彼はチラリと視線を流して確認した後にハンバーガーをひとつ購入してくれた






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