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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第163章 海を見に行く話







しかし良かった


店員さんが根こそぎ抹殺される前に私達は無事席に着き

迅速に届いたオムライスとハンバーグを彼は上品ながらガツガツと食べている


店内は大繁盛ながら私達は麗らかに流れる大河を眺められる窓辺の席で眺めが抜群に良かった

私は熱々のドリアに息を吹き掛けてクリーミーな風味に幸福の溜息を漏らす



「美味しいですね!」


「……普通。」



しかし彼のお口には少々合わなかったのか淡白ながら微妙な反応が返ってきた

私と彼とでは頼んだメニューが違う

もしかしたらこの店の当たりがドリアだったのかもしれない



「ドリアちょっと食べます?」


「…………あー。」



途端に激しく高鳴るハートビート


細められた双眼に睫毛の長さを知り緩く唇が開かれた瞬間に纏う妖しい色香にクラクラと目眩がする

普段の潔癖な美しさに色が交ざって妖艶さが立ち込める

彼は只私が掬い上げたドリアを待っているだけなのに何て魅惑的な人なのだろう……


スプーンを持ち上げたままどれだけ彼に見惚れていたのか解らない


気が付いた時にはしなやかで大きな手に手首を掴まれドリアの乗ったスプーンは彼の唇に誘導されて



目的を達成しパッと解放された手は力無くテーブルに落ちてカチンと小さく握ったままのスプーンが金属音を鳴らした


急激に巡った血液はきっと私を真っ赤に茹で上がらせていて途端に無機質に早変わりした彼はモグモグとドリアを味わうと


実に悪戯な眼差しに私を捕らえて「美味しい」と言った




……………彼に触れられた場所が熱い………………






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