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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第162章 夕暮れの遊園地



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18:07



ガサリと鳴った袋の音にビビって跳び上がる


彼に半ば強引に連れられて来たのはいつかヒソカさんと挑戦した懐かしい迷路だった


薄い暗闇の中ゴールを目指して進んでいるもののやはり壁は鏡張りで無限に映る自身の姿が不気味だ

所々設置されているオブジェも気持ち悪いホラーテイスト


スタート地点にて迷路へと引き込む彼の行動に困惑を極めた私は彼に聞いた

怒っているのですか、と

しかし答えはNOだった


では外観から私が苦手であろうホラーを匂わせる場所に何故連れて来たのかと問えば


「なんとなく。」



なんてキョトンとした顔で言われて私は確信めいたものを感じた

別段白々しい態度でも無く彼はきっと嘘を付いていない

理由があるとしたならウサギに乗ってと再びごねられるのが単純に面倒だったのでは無いだろうか………

そしてたまたま選んだのがこの迷路だっただけ……


元を辿れば私に非があるので彼に苦情は言えないものの一度迷路脱出を達成した事で思い起こす姿


………この迷路の何処かにピエロがいる……………



ヒソカさんと挑戦した際にパニックの末出会ったピエロはかなり怖かった


事もあろうに私はそのピエロとヒソカさんを見間違えて泣いたのだ


今考えると滅茶苦茶失礼な話だ……私の目が節穴だと言う彼の言い分はあながち間違いではないかもしれない……なんて考えながらも



そう言えば最近ヒソカさんの顔を見ていないとふと思う

元気だろうか


あの日の記憶が蘇って私の隣で妖艶に、しかし優しく笑う姿を思い出す


迷路に挑戦しようと提案したヒソカさんはずっと笑顔で私は其の存在に心細さと同時、彼とは違った安心感を覚えた


だけど途中で消えてしまって私は不安の中必死で出口を探したのだ






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