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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第161章 サイコなトラウマ







「どうする?魚。」


「………魚……えっと、食べます」


変なタイミングで熱を帯びた頬

だけどきっと夕焼けが隠してくれているだろうから

私は暫く彼を見詰めてうっとりしていたのだが


「沙夜子はどれが食べたい?」


水槽に歩み寄った彼に手招きをされて中を覗く


「うーん……」


魚もカニもエビもどれも捨て難いがそんなに食べられそうも無い

真剣に吟味して唸る事数十秒


「刺身でも食べられるように醤油とワサビも買ってあるよ。」


「え!ほんまですか?!嬉しい!!」


私は彼の言葉により一瞬にして魚を頂くと決めた


お刺身………パドキアやヨークシンでは滅多に食べられない生魚だ!!


途端にワクワクと胸弾ませる私は現金な奴だがジャポンの他格式高い専門店でしか食べられないと思っていた日本人にとっては嬉しい事だった


途端にテンションが目に見えて上がり、はしゃぐ私の背中に大きな手がポンと添えられてドキリと心臓が跳ねた


おずおず見上げれば彼の双眼に吸い込まれそうな錯覚を覚える一時




「沙夜子、遠慮しなくて良いんだよ。」


「?」


「沙夜子が手掴み出来る水深の水槽を選んだから入って良いよ。」



彼は意味不明な事を口にした

………いや、意味はわかるのだが


何故…………?!


何故私があたかも魚の手掴み大好きみたいな雰囲気になっているんだ……?


………良く考えて欲しい………

水槽の中にいるのは可愛い小魚では無く海で遭遇したらまぁまぁ怖いデカさの魚達

更に足首を容易くちょん切って来そうな巨大なハサミを持った甲殻類が蠢いているのだ

……誰が水槽に入ろう等と思うだろう……

そして何故彼は私に謎の気遣いをしたのだろう………



大きな瞳が不思議そうに此方を見ている





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