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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第161章 サイコなトラウマ








物陰になって見えなかった影に毛皮になった牛が干されてバタバタと揺れている

そしてコンクリートに付きさった棒の先には生命を終えた生首が掲げられていたのだ


ゾッと背筋が冷えて膝が震える




………………解体だ………………



彼はこの屋上で牛を解体したのだ…………………



日頃から牛を食べているだろうと言われればその通りなのだが解体の気配が漂いまくった場所で食べた事はない

しかもわざわざ棒に生首を掲げるだなんてサイコパス染みた諸行を前にとにかく私は恐怖していた




(………儀式か………?!儀式なのか……………?!?!?!めっちゃ怖い!!!!)




「さ、焼けたよ…………何してるの?」


希少部位が焼き上がる香りにも食欲は込み上げない

気が付けば私はBBQ仕様になった場所から遠く離れた場所に立っていた

そんな私をじっと凝視した彼は悠々と此方に足を運ぶ


その際血液の色に染まった床にチラリと一瞬視線を落とした事を私は見逃さなかった


「ほら、何してるの冷めちゃうよ……食べよう。」


私の手首を緩く掴んだ彼は私の瞳を覗いて心を探ろうとする

無理矢理にニッコリ笑って見せれば踵を返した彼は一瞬立ち止まった


私はこの数秒を永久に感じた


タラリと流れた冷や汗


ゴクリと唾を飲み込む


彼の視線の先には間違いなく牛がいる………!!





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