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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第161章 サイコなトラウマ







「あの、とりあえず髪くくりましょう……」


椅子をポンポンと叩けば彼は肉を片手にすんなりやって来て

私は荒れ狂うサラサラの艶髪に指を通し低い位置で纏め括った


これで無表情ながらも彼のお顔が見て取れる

普段から何を考えているのかさっぱりだが視線や眉の動きを見れないと更に謎めいた存在になるのだと痛感した

大きなブロック肉を素手に掴んだままの彼が今どういった気持ちでBBQを始めたのか私にはまだ読み取れていないのだ

されるがままに髪を結われた彼はすくりと立ち上がると持っている肉を見せながら淡々と口を開いた



「これは国産ブランド牛のシャトーブリアンだよ、赤身だけど柔らかいし濃厚だし俺のオススメ。」


「シャトーブリアン……美味しそうですね」


「うん、沙夜子もきっと気に入るよ。」



言いながら穏やかな表情を浮かべた彼

黒々とした瞳が何処か嬉しそうに輝く


真新しいBBQセットの数々や未だ触れられないままの物達は全て彼の思いで揃えられた物だろう


私は微笑みながら数歩後ずさった



彼はその穏やかな表情には似ても似付かない血管の隆起した手で肉を切ってくれているのだがそれよりも……



…………………足元には赤黒い大量の血溜まりの跡が広がっていたのだ…………


何故それを血溜まりだと断定出来たのか



「せっかくなら色々な部位が食べられた方が良いと思って一頭買い付けておいたんだ。」


私に向かい眩しい微笑みを漏らした彼に頷きながらも先程から鳥肌が止まらない



………………異様意外の何物でも無い…………





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