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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第160章 額の中の物語







姿見鏡で某番組のファッションチェックさながらに自身を凝視した後に私は彼の元へと急いだ


テーマだ何だと言っても結局彼に可愛いと思って貰いたい一心で



「お待たせしました!」



お昼のニュース番組を見ていた背中に呼び掛ければ彼はテレビを切り悠々と振り返った



「じゃ、行こうか。」


淡白なその表情から私をどう思ったかなんて微塵もわからないけれど彼が真っ直ぐ此方に歩いて来る其れだけで高鳴る胸



「どこ行くんですか……?」


私の背中に然り気無く手を添えて誘導する彼の仕草にドキリとしながらもおずおずと伺えば

彼は真っ直ぐ前を見据えたまま「美術館。」と教えてくれた



ワクワクとドキドキが交ざって弾む心音



嘘みたいに大きな扉を抜ければ長い絨毯の廊下にはこれでもかとボディーガードが立っていた


彼はそんな彼等に見向きもせずに凛と肩で風を切り足を進めて

何度見ても慣れない光景の中で私は隣の彼しか見ていなかった





________"






外へ出たのは何日ぶりだろうか


山間の村とは一変しコンクリートジャングルのヨークシンシティは夏の太陽にジリジリと気温を上げている


ダラダラと快適な室内で甘やかされて過ごした弊害だろうか………


…………めっちゃ暑い…………っ


確実に身体がなまっている………っ


日本の暑さとは違い変な湿気は無いのが幸いだが燦々と輝く太陽とコンクリートの照り返しに私はものの数分で汗を流していた





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