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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第27章 仕事と下着





翌日



目覚めると隣に彼は居なかった


「…………?」


パサリと落ちる心地好いシルクのブランケットをそのままにベッドルームを抜けて広いリビングを見渡してみても其処に彼の姿は無かった


「イルミさん………トイレ………?」


二つあるバスルームを覗き見たが彼は何処にも居なかった

履き心地抜群のフワフワスリッパをパタパタと鳴らしてキッチンのダイニングテーブルへ向かえばテーブルの上にはカップに飲み残したコーヒーと小さなメモが置いてあった


『仕事に行くから待っていて』


律儀に私の世界の文字で書かれた彼の字にぼんやり紅茶を入れる


……………彼の仕事



それは暗殺という人の命を奪うものだ


映画を観てきたしアニメの彼のシーンや漫画も読んできた

ゾルディックが先祖代々そういう家だという事も理解している

…………だけど…………彼の世界にやって来てその家や世界がぐっと身近に成ってその危険性を理解する

……理解するには遅過ぎたかもしれない

人の命を奪うのだから彼だって無傷で済むかは解らないのだ

かすり傷や切り傷はきっと日常茶飯事で刺されるかもしれない……銃で撃たれるかもしれない……もしかしたら二度と帰って来ないかもしれない………

あの眼差しをあの声を二度と感じられないかもしれない……




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