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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第158章 ヘッドライトが照らす道へ








「芽は食べられないんですか?」


「アクが強いからマズイ。」


「へー………」



ゾルディックの邸宅に居れば決してキッチンに寄り付きもしないだろう彼がスラスラと山菜の下処理をする姿はきっと凄く貴重な光景だろう

使用人の人が目撃したら腰を抜かすかもしれない……

なんて染々考えながらも私はもうひとつじっと目を離せない場所があった


彼の指先である


山菜と言えど根っこなんて特に容易く手で千切れる物では無い

従って私は包丁を使用しているのだが彼は素手なのに私より素早く山菜を捌いているのだ


ビキビキと異様に隆起した血管が人差し指にだけ浮かんでいて彼は然も当然の様にその指をナイフ代わりにしていて


私の視線はそんな彼の手先に釘付けである


……それが良い意味かと聞かれれば微妙なラインだが怖いもの見たさと言うのが一番近いかもしれない


そう言えば彼の弟であるキルア君も作中でナイフより切れる的な事を言っていた

そうなれば必然的に彼もそうなのだろうし現に今ナイフの様にその指を扱っているのだけど


何と言えば良いのか…………


山菜を捌いてくれている彼は普段より心無し無邪気に見えて非常にキュートだがそのほのぼのとした日常に潜む恐怖感が否めない


別に彼を怖いと思っている訳では無くいつも挨拶を交わすお隣さんが実は連続殺人の犯人……みたいな然り気無く溶け込む異質さにゾクゾクしてしまうのだ


何故指があんなに変形するのだろう…………


何に似ていると言われれば地獄先生ぬ~○~の鬼の手だろうか……

しかも器用に一本だけが異常なので目立って仕方がない





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