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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第158章 ヘッドライトが照らす道へ








私は舟から吹き飛ばされたのだ

結果全身びしょ濡れである

私を取り囲む山菜


私は元よりご機嫌斜めだった訳では無いけど


何より私の機嫌が直ったのだとどこか得意顔の彼がとどめを刺した




「ふっ…………ぶふぅっ!!!!」



私は暫く呼吸困難な程笑いまくり

彼はそんな私の姿に大層喜んでいると思ったのか終始得意顔だった



きっと真実を告げてしまえば彼は拗ねてしまうだろうから山菜に大喜びしている振りをして

大惨事のデートは不思議ちゃんな彼の活躍で忘れられない楽しい思い出になった



「いっぱい取って来てくれたんですねー!ふふっ……ふふふっ」


「うん。」


「ふふふふふっふはっ……ぶふっ!」


「汚い。」



_________"



15:15




私達は山盛りの山菜を抱えてずぶ濡れのままアパートに帰った


彼は「風邪引いたら困るから。」とスマートに私を優先してくれて交代でシャワーを浴びた


まだまだ陽の明るい午後



「山菜……何で食べたら良いでしょう……?天ぷらにしたいけど粉系ありませんし……」


「素揚げで良いんじゃない?」


「そうですね」


「まぁ、このままじゃ食べられないけど。」


「んー……イルミさん教えてください!」


「良いけど。」




互いに緩い部屋着でリビングに揃った私達は山菜の下処理を開始した

彼はやはり几帳面でくるりと丸まった先の部分は良く洗う、だとか芽は摘み取るとか、火が通りやすい大きさなんて事を丁寧に教えてくれた

彼みたいな一流セレブが何故そんな庶民的な事を知っているんだろうと思ったけど

これまで過ごした時の中で山中サバイバル時に必要な知恵なのだろうと納得する

何せ砂漠では野生のトカゲを食べたと言っていたし、キャンプの際は目の前で鳥の羽根をむしっていた

彼は上流階級のお育ちながらサバイバル術にも優れているのだ





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