ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第158章 ヘッドライトが照らす道へ
私は彼の足元に転がった葉っぱを凝視した後に出来る限りの作り笑いを浮かべた
「えっと………おもしろーい!!変な形!!」
何が正解かは解らないがとりあえず私が彼に歩み寄らなければ始まらないと考えたのだ
「こんなにいっぱい!すごーい!」
自分で言っておいて馬鹿かと思う
しかし彼はそんな私の反応にやれやれと息を吐き出し漸く唇を開いた
「山菜、食べられる葉っぱだよ。」
…………………山菜…………。
「これだけあれば食いしん坊な沙夜子でも足りるでしょ、夕飯にしよう。」
………………成る程………………
彼は咽び泣く私のご機嫌を取るために山菜を集めて来た訳だ………
…………………………原始的……………ッ
普段スマートに何でもこなしてしまう彼がせっせと集めた山菜は正直食べきれないくらいある
ロマンチックをぶっ飛ばし舟を暴走の末大破させて湖に私を飛ばした後まさか山菜で餌付けされるだなんて…………
と言うか山菜でご機嫌が直ると思っているだなんて…………
まるで太古の人のやり口ではないか
実際には知らないけれどマンモスとかが地球に存在していた時代を彷彿とさせる原始的なやり口だ
何故か脳裏に求愛の為に青い物ばかりを集める鳥の姿が過る
私はふつふつと吹き出してしまいそうな笑い声を抑え切れなくなっていた