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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第158章 ヘッドライトが照らす道へ






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恐怖にチビりそうだった私は目からこれでもかと涙をチビった


所謂大号泣


せっかく彼が楽しませようとしてくれたのだが如何せん怖過ぎた


私からしてみれば映画で次々人を襲うホホジロザメと変わらない脅威なのだ


桟橋にたどり着いた私は安堵から泣き震え、彼はそんな私に対してどう接して良いのやら解らなかったらしい

無心で桟橋を撫で付けながら陸地に感謝していると彼はフラリと何処かへ消えて

次に姿を現した時には揃いで全身びしょ濡れのままで奇妙な形の葉っぱを沢山持っていた




幾分恐怖も和らいで名残からしゃくり上げる私にその葉っぱを見せた彼はポツリと「葉っぱだよ」と言った



正直かなり謎だ


どういうリアクションが正解なのか解らずにただ彼と見詰め合う事数回


彼はせっせとユニークな葉っぱを集め持って来て私の周りにはあっという間に緑の芝生が出来ていた




不思議だな………………彼は本当に不思議な人だ…………






私はもう泣いて等いない



無言のまま私を見詰める彼のミステリアスな瞳

全くの無表情から感情は読めず無機質さばかりが際立って

私達は沈黙のままどれだけ見詰め合っているのだろう


何かリアクションをしなければ物語が始まらないロールプレイング的なゲームキャラクターと被る彼の姿


彼は唐突に不器用ぶる節がある

…………いや、本当に不器用なのだろうけど……………



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