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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第156章 ある日の二人







(そう言えば爪………)



チラリと盗み見た小さな小指に絆創膏


自身にとってはささくれと変わらない些細な負傷だが一般的にはどうなのだろうか

彼女はあの日部屋の外にまでその声を響かせていたし相当大層な負傷なのだと推測していた

彼女の小指から爪が取れた……これだ



「沙夜子の爪が無くなった事。」


「ぶっぶー!!」


「………そもそも変わった所って何を指してる訳?」


「あー惜しい!この部屋の中!」



自身の推理は外れて皆目見当が付かないが大きく外れている訳では無いらしい


部屋……………そもそも見ていない。


……………ハムスターだろうか、親方に何かあるのかと眺めて見ても変化は無く降参を口にすれば



「正解はフローリング!!!!真っ直ぐになってる!」



自身には本当に見当の付かないクイズだった


彼女はその口調に見合わない稀に見ぬ得意顔で語り始め

要は躓いて負傷した原因がフローリングの反り返りで彼女は其れを金槌で修繕したという話だったのだが

その話は金槌のこれまで歩んだ人生なる意味不明なものに発展し、遂には……






「アチョー…………!!!アタタタタタタタタタ!!!」


「………………。」



朝日が部屋を照らす頃底抜けに楽しそうにヌンチャクを振り回す彼女の姿に大きな溜息が漏れたのだった




(…………何の話だったけ)





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