ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第155章 汗ばんだ夜
耳朶にきつく噛み付かれる痛みさえも淫靡な快感に変わり
耳に注がれる彼の苦しそうな声が脳を支配する
衝動をそのままに強く強く腰を打ち付けられる度に歓喜にも似た涙は溢れて
「はぁっはぁ、ん………んっ沙夜子っ」
大好きな香りに包まれて名を呼ばれてしまえばこの上無い絶頂が絶え間無く続き
私は悲鳴にも似た声を上げ続け最早言葉さえも忘れてしまった
その間にも止む事の無い旋律に濡れた肌がぶつかって卑猥な水音がベッドの軋む音と交ざる
強く深く全てを欲する様に一心に私を抱く彼に与えられるまま何度も意識が浮遊しては打ち付けられる旋律に引き戻されて
最早背中にしがみ付く力も無く情熱的な愛に途方も無く溺れる頃一層強く私を抱き締めた彼は
「ん、んっ……はぁ…っ沙夜子、イク……っ」
快感に美しい顔を歪ませて深い口付けを落とした
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04:06
エアコンも無い部屋で夢中で求め合い揃いに汗まみれになった私達
だけどそんな事は至極どうでも良くて愛を確かめ合ったその後は暫く抱き合ったまま互いの呼吸だけを確かめていた
そして空が朝の気配を漂わせる頃古びたアパートの狭いシングルベッドで身を寄せ合いながら戯れるだけの心地好い時間
「………もう朝だね。」
「そう、ですね…………ちょっと死ぬかもと思いました」
「…………沙夜子に死なれちゃ俺が困るな。」
「…………そんなん……ズルい……………」
「………暑くない?」
「……ヤバいくらい暑いです……」
「ねぇ、私イルミさんの事ほんまにめっちゃ大好きで……今死んでも良いくらい幸せです」
「……大袈裟だよ。」
ギシリと音を立ててベッドを抜けた彼が水の入ったグラスを差し出してくれて
喉に流し込めば大量の水分を失った身体に潤いが戻って気遣い素敵な優しい彼に笑顔が漏れた
「ありがとうございます」
「別に。」
再びベッドで近い距離に戻った彼は私の癖毛を指に絡ませながら少し眠そうに瞬きをした後に
「………俺も今死んでも良いかも………なんてね。」
彼が持つ特有の間をたっぷり使って最高の愛の言葉を囁いたのだった