第155章 汗ばんだ夜

彼の情熱を知ってしまった身体は彼の色に染まって行く


最早今の自身は私が私では無くなっているけれどそんな事を考える暇も無くショーツに伸ばされた手に高鳴る心音


彼の指が掛けられてショーツが脚をすり抜ければ羞恥に身動ぎをしただけではしたない水音が響いて更に羞恥を煽られた



「厭らしい音だね。」



なんて呟きながらギラギラと熱を昂らせた捕食者の眼差しを向けられればゾクリと鳥肌が立って

もじもじと擦り寄せた脚の間を割って顔を寄せた彼は容赦無い刺激を始めた


無意識下にずっと待っていた快感に涙が頬を伝って彼の舌先の機敏に合わせて跳ねる腰

逃すまいと大きな手に掴まれて固定されれば強過ぎる快楽から逃れる術を失い枕を手繰り寄せて顔を被った

漏れる声を意識して、と言うよりも無我夢中で何かにすがり付いていたのだ

途端に体内を押し入る長い指の感覚に私は耐え切れず絶頂に上り




「んぁっあぁ……あ、ひゃぁあっ……っ！？」


「今日は随分早いね。」




なんて途方も無い浮遊感の中聞こえたと同時ゆるゆると動いていた指が速度を増してピンポイントで敏感な場所を刺激する


上り詰めたばかりで与えられるにはあまりにも甘美な痺れにまた直ぐに絶頂しそうになる


このままでは身が持たないと本能で感じて彼の動きを止める様に手を掴み懸命に言葉を紡ぐ



「うぁあっイル、ミ……さぁっ！……もぅ無理……あぁ！っん早く……」



未だ涙を流したまま訴えた私の声は懇願に近く

彼は熱い息を飲み込むと下着を脱ぎ捨てて切羽詰まった手付きで避妊具を取り付けた


瞬間に熱を帯びた彼が狭い体内を最奥まで割り入って目の前が真っ白に染まる



呼吸も忘れて自身が今何処にいるのかも何をしているのかも忘れて



只彼の荒々しい呼吸と熱く汗ばんだ素肌を感じれば激し過ぎる刺激に引き戻されてしっかりと私を抱き締める彼の背中に懸命に腕を回した