ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第26章 彼の気持ち
「………あのカップルやばくなかったですか」
「………放っておきなよ」
確かにそうだが極稀に見掛けるああいう光景は私の脳には無い行為に等しく見る度に驚いてしまうのだ
「…………何がしたいんでしょう」
「知らない。」
深く愛し合っているというのは理解出来るが何も街中で無くても良いと私は思う
もし突然彼に街中で激しくキスをされたなら…………
……………激しくキスを………………されたなら…………………
あのカップルと同じ感じに………ナルカモシレナイ………
私は初めて街中で人目も憚らず愛し合うカップルの気持ちが理解出来た事に少し感動した
そして良からぬ事を想像してしまったせいで思い切り隣の彼を意識してしまい先程迄自然に歩けていた距離ですら鼓動が早く成っていた
(……………そういえばまだ……好きって言って貰ってない………)
チラリと様子を伺うが彼は相変わらずの無表情………
「…………沙夜子」
「はい!!」
色々考え込んでいた為に彼の呼び掛けに過剰反応した私を彼はじっと見詰めた後突然
「帰るよ。」
単調に言った
………………せっかく二人で外出出来たのにぼんやりしていた私のせいで彼は機嫌を損ねてしまったのだろうか………
………機嫌が悪いという感じでも無いが飽きたという感じなのかもしれないなんて思うと胸がぎゅっと痛くなった