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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第155章 汗ばんだ夜







彼は頑固な所もあるが案外聞き分けが良かったり素直だったりとキュートな一面も存在する

近場に違いないが折角ピクニックに来たのだから楽しい方が良い



「私忘れられへんのが福井県でたまたま寄ったスーパーのお弁当が手作りでめっちゃ美味しかったんですよ、もう一回食べたいくらい!」


「はぁ………………。」



顔色を伺いながら紡いだ言に彼は大きな溜息を付いた後にお弁当を凝視する事を止めた


…………私の説得が効いたと言うよりは普通に諦めたのだろうけど……




そんな事をしている内に山影に消えた夕陽

太陽が見えなくなれば辺りはみるみる薄暗くなって行く



「そろそろ始める?」


「そうですね!」



まだ辺りにホタルの姿は見えないがポツリと発した彼の声に頷いた

気が付けば昼間とは違う虫の声がチラチラと聞こえ始めていて彼が瓶の蓋を開いたと同時、私の手にある缶がプシュッと小気味良い音を鳴らす



「乾杯です!」


「乾杯。」



ゴクリと喉を通ったアルコールは何もしていないのに少し汗ばんだ身体に染みた



「んー!美味しい!!いただきまーす!」


「……………いただきます。」



小さな声に笑いを噛み殺しながらカツを一口頬張ればサクリとした食感の後濃厚な肉汁が口の中に広がる


………ヤバい…………想像を越えて遥かに美味しい!!!!!




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