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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第155章 汗ばんだ夜






06月11日

18:23



私達はアパートの裏にせせらぐ小川を眺められるベンチで隣合っている


彼が言うには今の季節、山間ではホタルが見られるそうで

ポツリと教えてくれた彼の呟きから私は即座にホタル観賞を提案したのだ


夕焼けた道を並んで歩き商店でお弁当と缶のお酒を購入して後は陽が暮れるのを待つだけ


サァっと吹く風は優しく茜色に流れる小川は心落ち着く流水音を鳴らしていて心地好い無言の中彼は景色よりも熱心にお弁当を見詰めていた




「あのさ、これアイツ等の手作りとかじゃないよね。」



穏やかな自然の中に居るとは思えない怪訝な声色に苦笑いが漏れる


…………彼の言うアイツ等とは商店を営むご夫婦の事だろう

現に彼は店内でお弁当を選んでいる時かなり渋っていたのだ

数種類から成る商店のお弁当は一応コンビニのそれらしい装いをしているけれど中身はまるっきり違っている

おかずから何まで見るからに手作り感満載で少し潔癖な彼には受け付けないビジュアルなのだろう

以前外食は出来るのに、と話したら賃金が発生するプロの職員や明らかな工場加工食品は平気なのだと話していた

外食先にもよるけど、と付け足されていたので食に関しては彼の少々潔癖な部分が騒ぐらしい……


それでも渋々とお弁当を購入してくれた彼だがどうしても品質が気になるらしくご機嫌がよろしくないのだ




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