ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第154章 なんでもない日
その瞳に閉じ込められて鼓膜を揺らした甘い言葉は想像を絶する破壊力があり
気が付く頃には正座した状態のまま後ろに倒れていた
全身に巡る特別な言葉は私の耳から体内中を活性化させて興奮から爆発するんじゃないかとすら思わせる
響くお祭り騒ぎなハートビート
私はぼんやり天井を仰ぎ見た
…………………あの彼が……………美しさを極めし彼が………………大好きな彼が…………………私に愛していると言った………………………
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ~!!!!ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「うるさ…………。」
私は今にも天に召されそうになりながら暫く床を転がり身悶え続けて真剣に言を紡いだ
「もう一度」
「は?沙夜子の負けで終わりだろ。」
すっと細められた双眼がまさに阿保を見る視線を注ぐ中私は満面の笑みを返していた
「うふふ~言ってみただけですよぉ~もうっ!」
「絶対嘘じゃん。」
ズバリ言い当てられてしまいアンコールは叶わなかったがもう良い…………っ
今以上聞いたら逆に身体に悪い気がするし私は十二分に満たされた………
間違い無く私の体内では女性ホルモンの確変が起きているだろう
凄まじい攻撃だった……………
愛してるゲーム…………定期的に開催しよう……………。
「ね、イルミさんもう一回しません?」
「絶対にしない。」
胡座をかいた彼の膝に倒れ込めば降ってきた溜息
「イルミさん大好きです!」
だけど満面の笑みで覗いたその表情はカーテンから入る木漏れ日に照らされた何とも穏やかなものだった
「はいはい。」