ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第153章 村の片隅で始まる
その後、彼はまるで爆弾処理でもする様に極めて慎重な手付きで洗濯機を取り付けてくれた
多分あの商店に一台しか無かったから替えが利かない、と思ったのだろう
……………大変ほっこりした。
網戸から良い風が入ってカーテンが揺れる昼下がり
彼は扇風機に夢中な様子で髪を靡かせている
ワクワクと弾みっぱなしの胸には楽しい予感しか無く
「イルミさん」
「ん」
「お仕事大丈夫ですか……?」
「何が。」
「いや、めっちゃ目立つんじゃないかなぁって…………」
「現場はこの村じゃないし、離れてるから平気だよ。」
「………そっか……いつ行くんですか?」
「ミルからの連絡待ち。」
「……じゃあ今の所時間あるって事ですよね……?」
「まぁね。」
「……うへへへ嬉しいです」
「あっそ。」
此方を見向きもせずに素っ気なく言った彼だがその声色が優しかったのを私だけが聞いていた