ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第152章 闇の横顔と試練の真実
床にこびりついた黒い跡や壁に散った痕跡はその色や悪臭から本物だと解ったのだ
彼女が目にしたなら濡れ衣を着せられかねない
暗殺者ならこんな殺り方はしない
エゴイズムを感じる悪趣味な部屋にげんなりしながら最後の謎を探していると
直ぐ傍に感じた気配に咄嗟に振り返る
警戒は怠っていなかった
突然現れた気配に能力者を警戒して針を構えたが
部屋の中央で呻き声を上げて立っているその存在は明らかに生きた人間では無かったのだ
暗殺者が再び現場に戻る事は無い
足が付く可能性を懸念しているのは勿論だが色々と逆恨みされては癪だ
自身に恨みがある人間や恨みを残したまま消える人間は山程いるだろうが…………
頭部や腹部から臓物を垂らした女はのたのたと自身に近付いてはっきりと顔が見て取れた時溜息ばかりが漏れ出した
「誰?」
自身が殺めた人物でも何でもない
初対面と言うべきかも危ぶまれる存在は当然全くの見覚えも無く
「鬱陶しいから消えろ。」
無視を決め込み速やかに謎を解き部屋を出たのだった