ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第26章 彼の気持ち
有無を言わさない声色に履いてみたが少しサイズが大きく
「ちょっと大きいかな………」
言えば即座に
「じゃあこれ。」
新たに手渡されたヒール
此方もまたゴージャスで私は絶対に選ばないデザインだった
「…………ぴったりです」
「良かった。じゃ全部会計して。」
なんて涼し気にカードを差し出した彼に店員さんは深々と頭を下げた
何に必要なのかさっぱり解らないが彼が必要だと言うのだから必要なのだろう…………
大量の靴は彼の腕に荷物と成って掛かっているが其れでも彼は次の店を目指す
「……あの……次は何処に………」
「下着。」
「…………あ、はい………」
下着は確かに足りていないが彼と下着屋さんに行くなんて…………そんなの………そんなの……………気恥ずかしくて仕方ない
しかも選んでいる所を見られるのか…………?
商品を選ぶ姿を見られるのだとしたらカップ数がバレるのでは……………いやそれ以前に女性下着屋さんに居る彼を想像するといたたまれない……………
チラリチラリと彼の顔色を伺うが彼は涼し気で私は遂に何も言い出せずに下着屋さんに到着した
入店しようと扉を開くと背後から
「ここで待ってるからお会計の時に呼んで。」
と言われてかなりホッとした
そして彼に言われた洗濯出来ない状況も考えて10着の下着を選び(可愛らしいデザインばかりを選んだ)店外で待つ彼へ報告へ行くと私は外で待っている様に言われたので暫くぼーっと待っていた
そしてまた可愛らしいデザインの紙袋を大量に下げた彼が現れて再び歩き出す
「化粧品とか見る?」
「いえ!新品ばっかり持って来ました!」
「そう。………他に必要な物は?」
頭の中に持参した物や昨日無くて困った物があっただろうかと思考を巡らせたが特に思い当たらず
「………特には……ホテルに揃ってるし………」
なんて言った私に
「解った。じゃあ荷物置いたらまた外出しない?」
彼は優しい声色で言った
「はい!お願いします!」