ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第151章 好奇心の先
…………彼の話を聞いてから冷や汗が止まらない
解っている、本当に只の作り物で話だって雰囲気を作る為の嘘だろう事くらい
だけどそれにしては立派過ぎる屋敷、そして4つ目の部屋を彼と進み思ったのは
家具や装飾の全てがまるで時間に取り残された様に埃を被って佇んでいるのだ
それに人を怖がらせるのならわざと散らかった部屋を作ったりするものじゃないのかと思うが
乱雑でも行き届いてもいない整頓具合に妙にリアルな生活感を感じてしまって
逆に埃なんかは客を不快にしない為に掃除しているものなのではと思えるのだ
「あった、ひとつ目の問題、ファミリーネームはツェラルドだ。」
「………………」
バクバクと嫌に早い心臓の音
彼が見付けた回答は机の上に置かれた手紙だった
その机は古びて埃を被っているのに手紙はうって変わって真新しい
ヒントとして見付けやすい配慮なのだろうし気にする事では無いかもしれない
………だけど………妙に使用感のある家具がいつから其所にあるのかを考えると心霊とはまた違う恐怖を感じて
私の手が震えているのはシリアルキラー的な人為的な恐怖を感じての事だった
手紙の内容はあなた達家族を愛しているという一見平和な内容だが宛名は不明
そしてどう考えても一家を俯瞰している様な文章だったのだ
「ねぇ沙夜子、俺以前にもこの屋敷に来たかも。」
「……………………え……………?」