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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第151章 好奇心の先




_________"




「イルミさん!!!もっとゆっくり歩きましょうよ!!」


「長居したいの?」


「違っ……!足が震えるんです!!」



浮かれていたのはほんの一時の事だった


屋敷に一歩でも踏み入っただけも私にしてみれば人間が空を飛ぶレベルに凄い事だ


屋敷の中は灯りも無く古い家屋特有のカビ臭さと湿気を漂わせていてそれだけでも恐ろしいのに

変に怖がらせるBGMのひとつも無く雷雨が更にムードを盛り上げる


そんな中彼が持っている懐中電灯ひとつでは心許なく震える足では歩みが遅くなってしまうのは必然だろう


彼に半身しがみ付く様にしてやっと歩けている様なものなのだが彼はペースを崩す事無く進もうとするのだ




「お願い………ゆっくり…………」



震えているのは何も足だけじゃない

震える声を懸命に紡ぐ私はほぼ泣いている


しかしそんな私に降って来たのは呆れた溜息だった



「沙夜子説明聞いて無かったでしょ。制限時間があるんだよ。それに、ただのホラーハウスじゃなくて脱出ゲーム?みたいな要素があるからこのペースじゃ失格になる可能性がある。」


「え"!!」




……………確かに全然聞いていなかった


お化け屋敷にプラスして脱出ゲームなんて悪意しか感じない話だが
折角勇気を振り絞って参加しても失格では怯えるだけ損じゃないか


私達は未だ広い玄関ホールを抜けてもいない


私はここに来て漸く状況を飲み込んだ




「解ったら急ぐよ。」


「………はい」



…………あぁ………彼がいて本当に良かった………



めっちゃ頼もしいッ



そもそも彼がいなければ絶対に参加していないけど……



私は先程よりも確実にしっかりとした足取りで歩み出した


骨折り損だけには絶っっっっっっっっっっっっっっ対にしたくない!!!




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