ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第151章 好奇心の先
恐怖と好奇心がぶつかり合う狭間で私はぎゅっと拳を作り決心を固めていた
古城のホテルで私は本物のオバケと出会った
最初こそ本気で気絶したいと思ったけれど最終的には号泣する私を慰めてくれて、じっくりと会話をした
オバケとはもっとおどろおどろしく恐ろしいものだと思っていたけれどそのイメージとは全くの別物だったのだ
ホラーなんかで出て来るものは皆作り物で本物は案外普通の人間と変わり無いと知った
……………そう!!!恐るるに足らず!!!!
お化け屋敷なんて所詮は人が作った作り物!!!
私は本物のオバケと会った人間なのだから!!!!
……………………とは言い聞かせて見ても怖いものは怖い。
いつの間にか終わっていた説明
私のスタンスに合わせて退場しなかった彼に連れられて屋敷の玄関前に立たされた時に私の心は既に白旗を振っていた
「……………イ……イルミさん………」
「なに。」
「……………どうしよう…………」
「どうしようったって終わらせるしか無いでしょ。」
「…………っ私……どうかしてた………正気じゃなかった…………」
「そんなのいつもの事じゃん……だけど意外だね、ホラーハウスなのに。」
「…………だって……ショー見たかったから………」
「ふーん。」
見上げた彼はやはり興味無さ気に呟いたけれど、ふっと浮かべられた笑みの後
「ま、沙夜子ひとり護るくらい余裕だから安心しなよ。」
落雷の光に照らされた彼は恐ろしく美しいその瞳で私の心臓を射抜いて見せたのだ
この場面でそんな台詞…………ズルい……………
大好きな彼が……………闇人形の彼が……………私を護るだなんて…………………
一生護ると言われた気がする………ッ
溢れる頼もしさとほとばしる男気が素敵過ぎる………………ッ
「お化け屋敷怖いけどイルミさんのキュン台詞聞けたからもう来た価値ありました………」
「馬鹿じゃないの。」