ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第151章 好奇心の先
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私がデートのお願いをしてから直ぐに彼の休暇は訪れた
彼は特段興味無さそうだが二つ返事で了承してくれてデートらしくカフェでランチをしていよいよアニマルショーへと出発……なのだが…………
空は黒い雲が覆う曇天で更にはザアザアと止む気配の無い大粒の雨が降っているのだ
………折角彼とデートなのに………なんて傘越しに空を睨みながら彼の隣を歩く
前日に張り切って選んだ勝負服はハンガーに掛けたまま、想像とは全く違った装いになってしまった
本当ならカジュアル可愛いワンピースとミュールの筈が黒のゆったりとしたサロペットとスニーカー
これでも頑張っておめかししてみたけれど乙女的には肩が落ちる
それだけならまだしもリボンヘアバンドで少しガーリーに……と考えていた髪型は湿気に天然パーマが爆発して渋々とおだんごヘアーに変更したのだ
天気に出鼻を挫かれてテンションダウンした私だが彼が言うにはこの世界にも梅雨に当たる雨季というのがあるらしい
日本では考えられない雨量が集中的に降り注ぎカラリと乾いた夏を迎えるそうで
「流石に天候はどうにも出来ないよ。」
と言われてしまえば仕方がない
彼を全知全能と崇める私だって流石に天気をどうこう出来るとは思っていないし、結果無力に空を睨むくらいしか出来ないのだ
せめて相合い傘なら………なんて贅沢も言っていられないどしゃ降りにぎゅっと傘を握り締めながら歩く事数十分
「ここですか!」
「そうみたいだね。」
私達の目の前に現れたのはカラフルなチラシに劣らない派手なサーカステント
テントと言っても立派な物でその大きさは何とかドームなんて名前が付きそうな圧巻な物で悪天候が嘘の様に沢山の人で賑わっていた
ワクワクと胸弾ませながら人波に乗り、吸い込まれる様にポッカリ開いた入り口を潜ればすし詰め状態で人々が入場券を求めていた
私が考えていたよりも人気らしい