ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第26章 彼の気持ち
再告白をする事で『俺も沙夜子の事がLOVEに好きだよ』と言うお返事を貰う…………!!!
ゴクリと唾を飲み込んで緊張から震えそうな声を必死に絞り出した
「…………あの…………お話しが………」
私の声に此方を向いた彼の真っ直ぐな視線が刺さって言葉は喉の奥に詰まる
「……………何。」
特段苛立った様子も無いが新聞を読む手を止めて待っている彼を前に私は馬鹿みたいに汗をかき始める
「…………どうしたの。」
………………あの時は必死で紡いだ好きの言葉が極度の緊張から言い出せずにいると彼は痺れを切らして溜息を付いた
「解った。何か欲しいんでしょ。持ってきた物じゃ足りないだろうし昼を済ませたらショッピングに行こうか。」
的外れな事を言われてしまったが緊張から逃げ出したく成ってしまった私はゆっくりと頷いて其のままソファーへ倒れ込んだ
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私達は大勢の人々でごった返すヨークシンの街に出ていた
昼食のオムライスの玉子がフワフワ過ぎていたく感激した私は料理本を購入したいと息巻いている
それにオムライスだけじゃなく此方の調味料の事も食材の事も知りたいし基礎を学ぶなら先ず料理本が必要だと思った
私の希望を聞いて彼が連れて来てくれたのはホテルから程近い大きな本屋さんだった
料理本が並ぶコーナーで嬉々として本を選んでいると
「沙夜子文字読めるの?」
と聞かれたので事前に勉強して来たのだと伝えれば彼は少し感心した様に、ふーんと言った
"かんたんお料理""料理のさしすせそ""素材の活かし方"等初歩的な事が学べそうな三冊に絞りどれにするか悩んでいると彼は全てを取り上げてさっさと購入してしまった
「すみません!ありがとうございます!」
「別に。で、他に欲しい物は?」
「…………特には」
「じゃあ次は必要な物だね。」
なんてまた歩き出す彼の隣に並び立つ